何故「グループ登園」?
長浜市で起きた2園児刺殺事件について、容疑者・周囲の母親達・幼稚園関係者などに対して言いたいことも諸々あるが、ここではとりあえず置いておいて、もっと単純に私が「あれ?」と思ったことを述べたい。
■asahi.com:長浜・2園児刺殺 「誰を信じたら・・・」 - マイタウン滋賀(注:リンク切れの可能性あり)
この記事を読むと、この幼稚園では保護者が輪番で担当する「グループ登園」という方法をとっていたらしいが、こどもを幼稚園に通わせている母親というのは私立・市立に関係なく基本的に専業主婦ではないのか?幼児の間は、母親/父親と登園・降園時に会話したりするのも大切な時間ではないか。幼稚園は(通園バスがない限り)「親子登園」という概念しかない私には、忙しい朝の時間によそ様のお子さんを何人も預かって送り届ける、それも当番制というのは正直ピンときません。母親同士がっちり信頼関係が結べていて、他のこどもも我が子と同様に看ることができる集団なら「グループ登園」でも問題ないだろうが、ずっと「親子登園」を望んでそうやってきた容疑者(参考)には、酷な事だろう。
幼稚園に関わった母親にしか解らない世界かも知れないが、一緒に登園したりランチしたり公園で遊んだりしている母親同士でも、微妙な力学が働いている。そうした"見えないカースト制度"がある母親同士でも、私のように割り切って付き合える人間なら我が子の幼稚園時代の3年若しくは2年間をやり過ごせるが、中には馴染めずに身体を壊すほど悩む母親も実際いる。そんな母親は「親は親。子は子」ときっちり割り切れる思考を持ち合わせるべくもなく、「親が憎けりゃ子まで憎い」となってしまうだろう。なんだか音羽事件と一緒だなー。
容疑者は働き者で、4カ国語が話せ、日本語は少しなまる程度で日常生活には支障はなかったというから、余程の勤勉で努力家だと推測する。(参照)
最後、容疑者を擁護するような書き方になってしまったが、とにかく「グループ登園」のきっかけが、母親達の毎日の我が子の送迎が面倒だからという意見(表向きは違うだろうが)だったとしたら、あまりにも代償が大きすぎた。
追記:2006-02-22
関連記事を読み回っていて見つけた興味深い記事をクリップしておく。特に「300万~500万円で斡旋させる「中国の花嫁」の悲劇」はなんとも読んでいて溜息…
■滋賀県・長浜で起きた「猟奇的」園児惨殺事件について(報道・メディア論) / ヒロさん日記
再追記:同上
本日えこまさんにコメントレスした後で見つけたのでクリップ
■http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060219/mng_____sya_____012.shtml (後にリンク切れの可能性あり)
最後の部分に注目。(以下抜粋)
グループ登園の休止について、園側は保護者が個別に徒歩で送迎するよう要請した。ある母親は「グループ登園は、子どもや親のコミュニケーションが図れ、親の負担が軽くなるのに」と残念がった。一方で「安全でいい」と理解を示す声もあった。
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» 滋賀2園児殺害事件と幼稚園義務教育化! [日記]
滋賀で2園児がグループ送迎中に母親に殺害される、という事件が起こった。原因はその母親の子育てや家族同士の付き合いについてのストレスだ、と現在のところ報道されている。 身勝手な犯罪である。しかし今後、幼稚園が義務教育化するのだから、このような犯罪を未然に..... [Read More]
Tracked on February 20, 2006 at 02:28



Comments
ワタシもこのグループ登園ってなんなんだろう・・・と思いました。
そして「幼稚園の母社会」に負けてしまったワタシなので、もちろんだったら子どもを殺していいかという話は論外としても、ストレスは想像がつきます。
この地域では当たり前みたいな報道がされていますが、バスを用意しない園の怠慢なのか、毎日送りたくない保護者の怠慢なのか、柔軟な対応をしていなかった園がやっぱり一番悪いですかね・・・
Posted by: ちるにー | February 21, 2006 at 12:29
>ちるにーさん
コメントありがとうございます。
実はこの事件については、地域差はあるとは思いますが同じく子をもつ親同士、活発な意見交換をしたいと思いジャンバラヤの方にも(久し振りに)トラックバックしてみたのですが、コメントはおろかアクセスさえ無く、大変寂しく思っておりました。
私がエントリーした後で、はてダで興味深い記事を見つけたのですが──
http://d.hatena.ne.jp/eco1/20060218#1140224433
私の住む区内の公立幼稚園では、原則親子が手をつないで徒歩通園なので、グループ登園?しかも自家用車??と驚きの連続だったのですが、上記リンク先の方はそれが当然という書き方をされていますね。
(注:但し、追記もあります。http://d.hatena.ne.jp/eco1/20060219#1140276926)
容疑者は度々、我が子のことで幼稚園側に相談していたようだし、他の母親達は彼女が思い悩んでいる様子に誰も気付かなかったのかしら?だいたい事件後、グループ登園を無くして個別登園にしたという幼稚園側の態度も解せない。
亡くなった二人の園児のご冥福をお祈りしつつ、残った容疑者の娘さんのこれからを思うと、言葉もありません。
Posted by: fumi_o | February 21, 2006 at 20:01
はじめまして。
リンクを張っていただいた「えこまの部屋」の本人です
。
>上記リンク先の方はそれが当然という書き方をされていますね。
当然という書き方をしたつもりはないのですが、確かに滋賀の地域性からいって公立幼稚園の「グループ登園」はあちらでは当たり前っぽいですね。基本的に「徒歩」が原則で人数の多いグループは園児の前と後ろ保護者がついて歩きます。地域によっては、ロープに電車の吊り皮についているような輪がついているものを園児たちに持たせて(電車ごっこのようなかんじ?)歩いています。
「グループ登園」は園の怠慢や親の怠慢というよりも「地域の子どもは地域で子育て」がスローガンのような地域です。だから親も「相互扶助で子育てする」ということをある意味幼稚園で教育されているかんじです。
私は三児の母で「私立保育園」の個人送迎も、幼稚園のグループ登園も両方体験しましたが、毎日個人送迎の方がグループよりもずっと精神的にもラクでしたよ。
だから「怠慢ゆえのグループ登園」というのは現場ではちょっと違う。(といっても私は事件の地域ではないですが) 園側がそういったやり方に「母子に対する教育的価値」「地域力」とかに価値を見いだしていた と思うんです。
都会の方からは想像しにくいかもしれませんが「相互扶助をよしとする」滋賀の古い集落は、いい意味でも大変な意味でもそういうところなんです。
Posted by: えこま | February 22, 2006 at 12:45
>えこまさん
コメントありがとうございます。私はえこまさんとは同じ年代ですので、興味深く記事を拝見しました。
さて、頂いたコメントへのお返事です──
>当然という書き方をしたつもりはないのですが、
すみません。
私の読解不足でしたね。記事に、
『「複雑コミュニティ」だった そこで何とかでうまくやっていかなくちゃ とまず知る事から「園児の親」として「親」という当事者の「個」は鍛えられていく。』とありましたので、個々の母親をその地域社会にあわせるように鍛えることから始めるのかな?と理解し、今回の容疑者の場合も本人が悩んでいたり個別登園を望んでいたのに、強制的にグループ登園の枠に組み込むような地域性があるのかな?と勘違いしてしまいました。
>確かに滋賀の地域性からいって公立幼稚園の「グループ登園」はあちらでは当たり前っぽいですね。
そうなんですか。
私の住む区内では、公立小学校に限って言えば最近やたらと物騒なので、登校班ごとに集団で登下校(母親が当番で旗持ち)というシステムはありますが、幼稚園については私立・公立とも(園バスによる通園を除く)"集団"というのは聞いたことがありません。
我が子が幼稚園の間は、親子で手をつないで歩き、周りの景色や庭先の草花に季節を感じたり、雨の日なら傘をさして長靴で歩く感触を味わったり、母親が下の子をおぶっていたら上の子は弟妹にに気をくばったりとか…親子で気持ちを共有するという貴重な時間を与えてくれるのが個別登園の良さではないかと思うのです。
幼稚園は他の学校施設よりも始まる時間が遅いのは、その為だと理解してますが。
なので、
>「グループ登園」は園の怠慢や親の怠慢というよりも「地域の子どもは地域で子育て」がスローガンのような地域です。
この行には同意しかねます。
もちろん「地域で子育て」というのは重要ですし、ここでは割愛しますが、私も2人の我が子を通じて実践していますので、異論はありません。
しかし、えこまさんの記事からは、「旧集落の母親」の常識に「新興住宅地の母親」が従うといった形で、今回の事件の背景にあった「グループ登園」というのができたような気がしてならないのです。
>都会の方からは想像しにくいかもしれませんが「相互扶助をよしとする」滋賀の古い集落は、いい意味でも大変な意味でもそういうところなんです。
そのように括られてしまうと、私は口をつぐむしかなさそうですね。
Posted by: fumi_o | February 22, 2006 at 16:11
お返事をありがとうございます。
>「集落の母親」の常識に「新興住宅地の母親」が従うといった形で、今回の事件の背景にあった「グループ登園」というのができたような気がしてならないのです。
これはもっと正しく言うとやっぱり従来の園のやリ方に親たちが従順にそってきた というのが実情だと思います。大阪の都市部から越されてお母さんはうちの園に来て、こちらの保護者は園の方針に対してすごく従順なのに驚きました。都会ではもっと保護者の自己主張(意見)が強いですよ、と言われたものです。そういう意味で公=オカミに従う みたいな保守的な地域であることには間違いないですね。
>強制的にグループ登園の枠に組み込むような地域性があるのかな?と勘違いしてしまいました。
滋賀と言っても面積が広いので私自身、自分の周辺しか知らないでの県の代表意見ではありませんが(^^)、そして幼稚園の先生も異動で毎年同じでメンバーではないので、先生方も個々には考え方が違うと思います。少なくとも私の地域は「強制」ではありませんでした。それは私のブログ2/18、19、22の記事でも書いております。
そして私の2/18記事等で書きたかったことは「相互扶助の精神」がある地域で起こった今回の事件で、すべてが「よくないこと」として括られる事へ危機感です。
長文、最後までお読みいただきありがとうございます。
Posted by: えこま | February 22, 2006 at 23:17
初めまして。
偶然同じような記事を本日書きました。
私も今回の事件をきっかけに、「グループ登園」について考えてみました。
fumi_oさんとえこまさんのやりとりで、「グループ登園」を推し進める(やらざるを得ない?)背景というのも少し掴めた気がします。
Posted by: わこ | February 23, 2006 at 23:52
>わこさん
コメントありがとうございます。エントリーも拝読しました。
グループ送迎に関して、親の送迎の車の所為で渋滞が起こるからというのが、理由の1つにあるのは以前よりきいてましたが、わこさんがご指摘されていました"チャイルドシート"の問題というのを忘れていました。確かに確かに!
こどもって小学校にあがると、本当にあっという間に大きくなってしまって親のあずかり知らない所で勝手に成長していってしまうというか…親ばかなので、早く成長して欲しくないという気持ちが多分に含まれてます (笑)
だから、幼稚園時代はこどもと手をつなぐ、抱きしめるというのをたくさんたくさんしてあげたいですね。
Posted by: fumi_o | February 24, 2006 at 07:44